2012年6月20日水曜日

産業カウンセラーのあり方、企業側の考え方に問題がある

日本では、かつては、「おかしくなった人を普通の人にするところ」と思われているふしがありました。だから、スクールーカウンセラーを実施するときには、誰も来てくれないのではないかと心配したのですが、その点は杞憂だったようです。

彼らの努力によって、自分の生きる道を一緒に考えてくれる人なのだということがわかってきたからでしょう。

ただ、中高年の人の相談先に関して言えば、産業カウンセラーのあり方、企業側の考え方に問題があるような気もします。

開業している人でも、あるいは学校でも会社でも、力のあるカウンセラーのところには、とくに宣伝もしていないのに、クライエントがたくさんやってきます。

力のないカウンセラーのところには、いくら大々的に宣伝してもクライエントは来ないし、最初は来ても、すぐに来なくなります。

このごろは産業カウンセラーの制度もかなり普及してきましたが、企業側はまだ軽く考えているのか、コスト節減のためなのか、あまり力のある人を入れていないように思われます。

力のない人を置いておいても誰もやってきません。そこで、企業側は、誰も来ないなら経費の無駄だといって、カウンセラーそのものを廃止してしまったりする。これでは、助かる人も助からなくなってしまいます。

カウンセリングによって自殺を思いとどまったというケースは少なくありませんが、その場合も、カウンセラーが相手の自殺を思いとどまらせようということを、あまり前面に出しだのではうまくいきません。