2015年3月3日火曜日

世界でもっとも尊敬されるCEO

そんななか、2005年4月、ローマ新教皇に選ばれたのがベネディクト16世だ。カリスマ的な存在感と影響力を誇った前の法王ヨハネーパウロ2世の側近だった彼はドイツ人で、ポ上フンド人たった前法王同様に非イタリア人の法王となる。新教皇が目指すのは、基本的には前教皇の考え方を踏襲した保守路線だ。カトリック教会が今も厳守している結婚観や家族の在り方(結婚とは神による大きな恵みであり、家庭では信仰が大切である)についてはそれを支持し、避妊具使用や体外受精を認めず、尊厳死や人工妊娠中絶、同性愛による結婚には断固として反対の立場をとり、また女性が司祭になることも認めない。

高齢になっても世界中を精力的に飛び回っていた前教皇の後だけに、78歳というかなりの高齢で教皇となったベネディクト16世の言動には世界中が注目している。とくに、カトリック教会とは神のメッセージを人々に伝えることこそが重要な役割であるとする彼は、異文化理解を推し進めようと大きな方向転換を果たしたカトリック教会の存在意義を見直すことに力を注いでいるといわれる。「何でも受け入れる」という考え方ではカトリック教会そのものの価値が損なわれるというわけだ。

その新教皇が2006年、問題発言をして騒ぎになったことがある。母国ドイツの大学での講義中、「イスラム教は暴力的である」という引用を持ち出し、「それは神の本性である理性に反する」と語ったのだ。これはまさにキリスト教の立場からイスラム教を批判したとも受け取れる発言である。当然、イスラム社会から「コーランを読んでいない教皇の中傷であり、無知そのものだ」と激しい反発が沸き起こった。しかし、教皇はあくまでも古い文章の引用であるとして謝罪も釈明もしておらず、このふたつの大宗教の対立が深刻化するのではないかと危惧する見方もあった。

何でも受け入れようとする相対主義を見直し、カトリック教会の存在意義を見直そうとするベネディクト16世の言動に、今、世界が注目している。「世界でもっとも尊敬されるCEO」BP社のジョンーブラウン氏が失脚するまで19世紀から20世紀にかけて石油産業を手中に収めていた国際石油資本(メジャー7社のひとつであり、ヨーロッパ最大のエネルギー企業である英国BP社で、10年以上にわたりCEO(最高経営責任者)を務めたジョンーブラウン氏が突然辞任を発表しためは2007年5月1日。氏は当初、2008年末までCEOに留まることを同意していたことから16ヵ月も前倒しの退任となったのだが、そこにはプラウン氏の辞職への強い希望があったという。

ジョンーブラウン氏の経営手腕は内外で高い評価を得ている。何しろCEOとしての在任中にBP社の時価は5倍の1046億ポンド(約24兆3256億円)に成長し、株価は250パーセント上昇。利益は223億ドル(約2兆6767億円)にまで跳ね上がったのである。さらに、1998年にはイギリス王室からナイトの称号を与えられ、1999年から2002年まで英国の月刊誌上で「最を尊敬されるCEO」に選ばれた。各界からは数々の賞を授与され、まさに順風満帆なビジネス人生を歩んできた人物だ。そんなブラウン氏が任期を待たずに辞任を決意したのにはわけがある。元恋人とのトラブルが新聞社に売り込まれ、英各紙がいっせいに報道したのだ。