2012年7月19日木曜日

このごろの若い人に、カウンセラーに抵抗感がなくなってきた

このごろの若い人に、カウンセラーと会うことに対する抵抗感がなくなったのは、やはりスクール・カウンセラーの普及と、そういう人たちの努力のおかげでしょう。

体の具合が悪くなったときに保健室に行くのと同じような感覚で、わりと簡単に相談室に行くようになりました。

カウンセリングを受けることに対する抵抗はアメリカにもありますが、日本の場合とは意味がかなり違って、分析を受けること自体に対する偏見からではありません。

アメリカでは分析医が発達し、多くの人が分析を受けていますが、わざわざ遠くの分析医のところまで行ったり、保険を使わず自腹で診てもらったりします。

それは、アメリカのような競争社会では精神的なもろさも弱点になるため、自分が分析を受けていることを周囲に知られたくないからです。

とくに自分の地位を守らなければいけない人は、分析やカウンセリングを受けていることを隠そうとします。だから、アメリカの知りあいには保険なしでやっている人が多く、そこによく来るのは、一番がお医者さん、次が宗教家だそうです。

もっとも、まったく健康なのに分析医のところに通って、「自分の心の成長のために行っているんだ」と吹聴したり、ことあるごとに、「私の分析医はこう言っている」などと自慢げに語る人もいます。

これは、一種のステータス・シンボルとして利用しているケースで、ほんとうに悩みを抱えて分析医のところに行っている人は、そのことを必死に隠そうとします。